VCとの「出会い」が起業を左右する──ネットワーク摩擦とジェンダーギャップ
VC業界のネットワーク摩擦が、起業のジェンダーギャップをどう生むかを分析。投資家との出会いの機会の差が、女性の起業参入を妨げる構造を示す。
2026.07.22 約2分で読めます
ジェンダー・ギャップから見る、VCとの出会いがもたらす起業への影響(Howell & Nanda, 2024)
前提
VCは主に対面でのつながりや信頼できる紹介を経由して投資先と接触することがわかっている。一方、VCからの投資は男性起業家に偏っていることが明らかになっている。
そこで、起業前のVCとの出会いが、男女のスタートアップ設立にどう影響を与えるか分析
-> ハーバード・ビジネス・スクールのNew Venture Competition (NVC) に参加した964名の学生を分析。NVCでは、参加者はランダムにVC審査員のパネルが割り当てられる
📝発見1: 男性参加者は、VC審査員との交流が起業を後押し
男性参加者は、審査パネルにより多くのVC審査員がいた場合、卒業後にVCが出資するスタートアップを設立する確率が上昇
-> スタートアップのアイデアの質に関係なく、投資家へのアクセス自体が資金調達に影響することを示唆
📝発見2: 女性参加者にはVCとの交流効果が見られず
女性参加者は、審査員パネルに男性VCが多くいても女性VCが多くいても、卒業後のVC支援スタートアップ設立確率に有意な変化が見られない
-> VCとの出会いは、男性ほど起業のきっかけにならない可能性
女性には効果がないのはなぜか?
出会ったVCに対して、男性参加者ほど積極的に連絡を取ろうとしない傾向が
-> 事後のネットワーキング行動が男女差に影響していることを示唆
まとめ
VC投資家へのアクセスは、アイデアの質とは別に、起業の可能性を高める重要な要素
しかし、単にVCと出会いを増やすだけでは、女性の起業促進には繋がりにくい
背景に、男女間でネットワーキング行動に違いがある可能性
Reference: Howell, S. T., & Nanda, R. (2024). Networking Frictions in Venture Capital, and the Gender Gap in Entrepreneurship. Journal of Financial and Quantitative Analysis. DOI: 10.1017/S0022109023000819
