論文レビュー

スタートアップ初期の採用──どうすれば優秀な人材を惹きつけられるか

アーリーステージのスタートアップにおける採用を分析。初期リソースとイノベーション志向の相互作用が、人材獲得をどう左右するかを明らかにする。

2026.07.08 約3分で読めます

論文紹介Rocha & Grilli (2023) · Small Business Economics 論文を読む →

🚀スタートアップ初期の採用、どうすれば優秀な人材を惹きつけられるか?Rocha & Grilli (2023)

理論的背景

「資源ベース論(RBV)」「コンピタンス・ベース論」「シグナリング理論」を統合し、初期リソース・コンピタンス2種類を分析:

1️⃣ 創業者の過去の起業経験:
内部コンピタンスは、採用プロセスの円滑化や、求職者への信頼シグナルとなるか?

2️⃣大企業や大学が株主:
外部リソースはスタートアップの信用力を高め、採用を有利にするか?

さらに重要なのは、上記のリソース・コンピタンスと、スタートアップの「イノベーション志向」との関連

-> 仮説:革新的な事業を目指す姿勢が、初期リソースの採用への効果を増幅させるのでは?

🇮🇹調査対象と方法:
イタリアの革新的スタートアップ1,549社を対象としたデータを分析

-> 創業者の特性、株主構成、イノベーション戦略、そして設立初期(3年以内)の採用状況を調査

💡発見1:創業者の過去の起業経験が初期採用を後押し

過去に起業経験のある創業者によるスタートアップは、そうでない企業に比べて初期段階での従業員雇用確率が高い

-> 過去の経験による採用ノウハウがあったり、求職者への信頼感につながる

💡発見2:法人 / 大学株主も採用にプラス

特に、大企業から出資を受けている状態は強力な後押しに

-> スタートアップの信用力や将来性を示すシグナルとして機能

💡発見3:「イノベーション志向」が効果を増幅

スタートアップが明確なイノベーション志向(創業動機が革新的 or R&D投資が積極的)を持つ場合、上記2つのプラス効果はさらに高まる

🔹経験豊富な創業者の場合、イノベーション志向が強いほど初期採用確率が上昇

🔹大学株主がいる場合、R&D集約度が高いほど初期採用確率が上昇

🔹法人株主がいる場合、創業者の動機が革新的であるほど初期採用確率が上昇

-> スタートアップの志向性とフィットしたリソースがあることが重要

まとめ

スタートアップ初期の採用成功には、創業者の経験や有力な株主の存在が重要

-> それらの効果は「イノベーションへの強いコミットメント」によって更に高まる

-> リソースと戦略が噛み合った時、優秀な人材をひきつけて採用に成功することを示唆

Rreference: Rocha, V., & Grilli, L. (2023). Early-stage start-up hiring: the interplay between start-ups’ initial resources and innovation orientation. Small Business Economics, 62(4), 1641-1668. doi:10.1007/s11187-023-00818-7

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