会社における「企業内起業」は世代ごとに違うのか
ベビーブーマー・X世代・ミレニアル世代が混在する職場。従業員の世代コーホートがコーポレートベンチャリング(企業内起業)にどう影響するかをマルチレベル分析で検討する。
2026.03.04 約3分で読めます
研究の背景
現代の職場は、ベビーブーマー、X世代、ミレニアル世代が混在
世代間の価値観の違いは、企業のイノベーション能力、特に「企業内起業(Corporate Venturing)」にどう影響するのか?
-> 28カ国、2万人以上の従業員を対象に、世代ごとの「企業内起業」への関与の違いを分析
キーコンセプト
本研究では、職場に存在する3つの主要な世代が対象
ベビーブーマー世代 (1944-64年生):
経験豊富で忠誠心が高いとされる。リーダーシップ経験を持つ
X世代 (1965-80年生):
独立心が強く、実利的とされる。ワークライフバランスを重視
Y世代/ミレニアル世代 (1981-95年生):
デジタルネイティブで、変化に柔軟とされる。仕事に「意義」を求める
発見1:最も企業内起業に積極的なのはミレニアル世代
分析の結果、最も企業内起業に積極的なのは、最も若い「ミレニアル世代(Y世代)」であることが明らかになった
彼らが社内ベンチャーに関与する確率は、X世代やベビーブーマー世代よりも有意に高い
企業の革新において、若手社員がより重要な役割を担っている可能性を示唆
発見2:組織の「インセンティブ」は世代で変えよ
社内ベンチャーへと向かう組織的要因は世代ごとに異なる
企業内起業を促進する上で、各世代が最も重視するもの:
ベビーブーマー: 裁量権 (Autonomy)
X世代: 報酬 (Rewards)
ミレニアル世代: 仕事の意義 (Meaningful Job)
-> 全世代に同じインセンティブを与えても、イノベーションは生まれずらい
発見3:逆境に強いミレニアル世代
不況などの厳しい外部環境は、全世代の企業内起業を抑制する
しかし、そのマイナスの影響が最も小さかったのはミレニアル世代であった
-> 不確実な環境下でも、起業家精神を発揮する傾向が強いことを示唆
まとめ
✅ 企業内起業に積極的なのはミレニアル世代
✅ 各世代を動機づける組織的要因は異なる(ベビーブーマー=裁量権、X世代=報酬、ミレニアル=仕事の意義)
✅ ミレニアル世代は、不確実な経済環境下でも企業内起業への意欲が低下しにくい
✅ 論文が示しているのは、あくまで集団としての平均的な傾向
-> 最終的には一人ひとりの個性や価値観を理解する姿勢が不可欠
論文はこちら
Guerrero, M., Amorós, J. E., & Urbano, D. (2021). Do employees’ generational cohorts influence corporate venturing? A multilevel analysis. Small Business Economics, 57, 47–74.
