論文レビュー

なぜ国や地域によって起業の活発さが違うのか──文化のタイトネス/ルーズネス

社会規範の強さ(タイトネス/ルーズネス)に着目し、文化が新規企業の設立率にどう影響するかを分析。規範の緩い文化が起業を促す構造を明らかにする。

2026.09.28 約2分で読めます

論文紹介Assenova & Amit (2024) · Strategic Entrepreneurship Journal 論文を読む →

背景

スタートアップ設立への影響をみるため、社会規範の強さを2種類にわけて分析

社会規範が強く逸脱が許されない厳格 (Tight) な文化
規範が柔軟で逸脱が許容される緩い (Loose) 文化

データは、世界156カ国の新会社設立率(人口1000人あたり)とアメリカ50州の新規起業家率(労働年齢人口における割合)を分析

発見①:文化の緩さが起業を促進

分析の結果、社会規範からの逸脱が許容される国や州ほど、平均して新会社設立率や新規起業家率が高い

「文化が厳格か緩いか」という側面は、各国で新会社設立率が異なる理由の56%、アメリカ各州で新規起業家率が異なる理由の71%を説明可能

発見②:文化が緩いと起業が増えるメカニズム

個人の起業家精神が育まれやすい
-> 規範からの逸脱が許容されるため、リスクを取り、新しいことに挑戦する気質が育ちやすい

起業を支える社会制度が形成されやすい
-> 多様な意見や行動が受け入れられ、起業に対する社会的な支援や受容度が高まる

まとめ

社会の規範の強さが、起業家の輩出に大きく影響。文化的に緩い社会は、人々の挑戦を後押しし、起業を支える土壌を育む。起業やイノベーションを促進するなら、社会の寛容性や柔軟性にも目を向ける必要を示唆

Reference: Assenova, V. A., & Amit, R. (2024). Why are some nations more entrepreneurial than others? Investigating the link between cultural tightness–looseness and rates of new firm formation. Strategic Entrepreneurship Journal, 19(1), 3-28. doi:10.1002/sej.1520

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