管理職の高齢化は若手の起業機会を奪うのか
ポルトガルの48,212社・従業員32万人超のデータを分析。管理職層が若いほど多くの起業家が生まれる。管理職の高齢化が若手の起業機会を狭める「起業の若さの泉」効果を示す。
2026.10.14 約3分で読めます
答え:Yes
ポルトガルの48,212社、従業員324,487人のデータから
ロジック
企業内で管理職が長くポストに留まる
-> 若手が管理職経験を積むチャンスが減る
-> 起業に必要なスキルや経験を企業で得にくくなる
-> 社会全体の起業率が低下する(ランク効果理論)
発見1️⃣
管理職(特にトップ・ミドル)の経験は起業への近道🚀
トップ・マネジメントやミドル・マネジメントの経験を持つ従業員は、非管理職の従業員に比べて起業する確率が高いことが判明。最も起業する率が高いのはトップ・マネジメント経験者
-> なぜ管理職経験が起業に繋がるのか?
✅戦略的意思決定、リソース管理、リーダーシップなど、起業に必要なスキルが身につく。
✅新しいビジネスチャンスに関する知識やネットワークに触れる機会が多い。
✅特にトップマネージャーは、不確実性下での意思決定など、起業家と類似の経験を積む。
発見2️⃣
管理職が高齢 -> 従業員が昇進しにくい -> 起業家率の低下↘️
企業内のトップ・マネージャーが年長であるほど、その企業の従業員が起業する確率は低下。従業員が管理職(特にトップ・ミドル)に昇進する機会が少なくなるため。ミドル・マネージャーの年齢も同様の傾向だが、トップの影響がより強い
-> 企業の管理職層が若いほど、従業員が管理職経験を積むチャンスが増え、結果としてより多くの起業家を生み出す傾向。管理職が高齢化すると間接的に起業を妨げる可能性あり
発見3️⃣
昇進が遅れた従業員は、起業ではなく転職を選ぶ
管理職への昇進が平均より遅れている(≒ 不満を抱えている可能性のある)従業員は、起業を選ぶのではなく、他企業へ転職する傾向が強い。
起業には相応のスキルや準備が必要で、単なる不満だけでは踏み切れないことを示唆
論文のまとめ
企業の管理職が若いほど、多くの起業家が育つ可能性。高齢化社会において起業家精神を維持するには、企業内での若手の登用や高度な経験機会の提供が鍵か
Reference: Agostinho, R., Baptista, R., Hessels, J., Castro-Silva, H., & van der Zwan, P. (2025). The entrepreneurship fountain of youth: Younger management ranks generate more entrepreneurs. Journal of Business Venturing, 40(4). doi:10.1016/j.jbusvent.2025.106502
