論文レビュー

副業の経験は、将来の本格起業後の心の健康にどう影響するか

英国の長期データ(N=1,737)を分析。副業(ハイブリッド起業)の経験が、本格的な起業後のウェルビーイングに与える影響は一様でなく、特定条件下で効果が左右されることを示す。

2026.09.21 約2分で読めます

論文紹介Kuske & Schulz (2025) · Entrepreneurship Theory and Practice 論文を読む →

-> 副業経験が本格起業後のウェル・ビーイングに与える影響は一様ではなく、特定の条件下でその効果が左右される

研究前提

- イギリス🇬🇧の1991〜2019年における長期データ (N=1,737) を分析
- 副業経験は新しい学びを得るチャンス
- 一方、本業や私生活での要求が多いと、学習プロセスに影響が出る

発見1: 本業における働き方の柔軟性が影響

本業の労働時間が固定的で柔軟性がないほど「副業での経験」が本格起業後のウェル・ビーイングに与えるプラス効果が減少

-> 本業が多忙で融通が利かないと、副業での学びを活かしにくい

発見2:介護・育児の責任も影響

16歳未満の子どもの世話や、週5時間以上の介護など、ケア責任を負っている場合、副業での経験が起業後のウェルビーイングに与えるプラス効果は減少

-> 家庭の負担は、副業からの学びを減らす

発見3: 性別による違い

女性の場合、介護・育児責任があるとウェル・ビーイングに対する負の効果が強く発生する。この効果は男性には見られず。

一方、男性の本業において働き方の柔軟性が低い場合、ウェル・ビーイングに対する負の効果がより強く見られた。女性には見られない効果。

-> 伝統的な性別役割分担(例: 男は仕事、女は家事)意識が、副業の経験に影響を与えている可能性

まとめ

副業経験が、その後の本格起業における心の豊かさに与える影響は一様ではない。

本業の柔軟性や家庭環境、性別による役割意識の違いが、起業家としてのウェル・ビーイングを高める上で重要な要因となる。

Reference:
Kuske, Schulz & Schwens (2025). Hybrid Entrepreneurship and Entrepreneurs’ Well-Being. Entrepreneurship Theory and Practice.
DOI: 10.1177/10422587241288108

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