論文レビュー

スタートアップのピボット成功は創業チームの連携がカギ

創業チームがどのように事業アイデアをピボットするかを分析。調整・センスメイキング・アイデアワークの相互作用が、効果的な方向転換を支えることを示す。

2026.05.25 約2分で読めます

論文紹介Breugst (2025) · Journal of Business Venturing 論文を読む →

スタートアップにおけるピボット、創業チームの連携方法がカギ (Weissenböck et al., 2025)

前提

本研究は「創業チームの連携方法が、どのようにアイデア作業を形成するのか?」について分析

欧州大都市のインキュベーション・プログラム参加7チームを8~12ヶ月間追跡

-> 創業7チーム中3チームがピボットを経験、4チームはアイデアを維持

📝発見1: チーム内の「責任分担のあり方」がピボット能力を左右

🔹各自の責任が明確なチーム:
会議のようなフォーマルな場でのみ議題に沿って議論が起きる

->「断片的センスメイキング」に繋がり、アイデアの改善はあるがピボットには至りにくい

🔹各自の責任が一部重複するチーム:
メンバーが互いの領域に踏み込み、インフォーマルな場でも議論をする傾向。各自は自分の責任範囲に特化

-> 「全体的センスメイキング(Holistic sensemaking)」を促し、必要に応じてピボット、状況によってはアイデア変更も可能

📝発見2: 「センスメイキング」のあり方がアイデア作業の方向性を決める

🔹全体的センスメイキング:
チームメンバーが事業アイデア全体を捉えようとし、時に異なる全体像を持つ

この「理解の不一致」が認識されると、「全体的アイデア作業」を通じて、アイデアの再構築が行われる

-> 結果としてピボットが起こる

🔹断片的センスメイキング:
各メンバーが自身の役割の範囲内で事業に関連するフィードバックを処理

これは「補完的アイデア作業」に繋がり、既存アイデアの改善・維持を促す

まとめ

創業チームがピボットできるかどうかは、チーム内の責任分担の柔軟性と、それによって生まれるセンスメイキングの質に大きく依存

責任範囲が重複し、インフォーマルな対話が生まれる場があることで、状況に応じたピボットを可能にする鍵となる

-> チームの連携体制を意図的に曖昧にしたり重複させることや、会議以外でも議論が生まれる環境を意図的につくることは、ピボットにおける戦略的価値があることを示唆

Weissenböck, E., Breugst, N., & Brattström, A. (2025). Coordination, sensemaking, and idea work: How founding teams pivot their venture ideas. Journal of Business Venturing.
DOI: 10.1016/j.jbusvent.2024.106472

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