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従業員は、リーダーが女性だと働かないことがあるのか

リーダーの性別が従業員の努力水準に与える影響を検証。女性リーダーのもとで生産性が下がる現象が、いつ・なぜ生じるのかを実証的に明らかにする。

2026.06.22 約3分で読めます

論文紹介Kacperczyk et al. (2023) · Organization Science 論文を読む →

従業員は、リーダーが女性だと働かないことがある?Kacperczyk et al. (2022)

前提

女性起業家は性差別や関連バイアスにより事業成長で苦戦することが明らかになっているが、主な分析対象は資金調達だった

本研究では、創業後の「従業員の労働供給」が対象

仮説:
「女性リーダーはワークライフバランスを重視し、仕事の要求が低い」と従業員が性別ステレオタイプを持つ

-> 女性創業者の下では、男性創業者と比較して従業員の労働時間が少なくなるのでは?

分析方法

📊研究1 :
ポルトガル🇵🇹の2002~2012年の全起業家を対象とした雇用者・被雇用者連結データ(58,832社)を分析

🔬研究2:
創業者名を男女で変えた架空のスタートアップの作業を用意し、実際にオンラインで457名に業務依頼

🔬研究3:
オンラインで982名を対象に、なぜ創業者の性別が違うことで労働供給に差が出るのか、その心理的メカニズムを検証

📝発見1: 女性創業者の企業は、従業員の労働時間が有意に短い

フルタイム従業員は、男性創業者の企業と比べ、月間の残業時間が平均で1.45時間少なく(約7%減)、週の正規労働時間もわずかに短い傾向

📝発見2: 実験でも結果は同じ

男性創業者からの「無給での追加作業」の依頼に対し、承諾率は50%

一方、女性創業者からの依頼に対して承諾率は40%と有意に低い結果

従業員は、女性リーダーからの追加労働の要求を断りやすい可能性

📝発見3: なぜ従業員は追加労働を断るのか?

従業員は、女性創業者からの追加労働依頼を、男性創業者からの依頼よりも「不公平 (unfair)」「思ったより大変だ (harder than expected)」と感じる傾向

作業内容は同じ
→ 依頼者の性別が異なる
→ 性別バイアスで認識に差が生まれる
→追加の労働を断る

まとめ

女性創業者は、資金調達時に不利な扱いを受けるだけでなく、従業員からの追加労働を得られづらい可能性

メカニズム:
従業員が持つ「女性リーダーは仕事の要求が低いはず」というステレオタイプ

-> 追加労働の要求は、ステレオタイプに反する「期待違反」となる

-> 結果、男性創業者が同様の指示をした場合に比べて、よりネガティブな感情を持つため仕事も断られやすい

リーダーシップにおけるジェンダー・バイアスは、部下が女性の場合だけでなく、上司の場合でもあり得ることを示唆

Kacperczyk, O., Younkin, P., & Rocha, V. (2023). Do Employees Work Less for Female Leaders? Organization Science.�DOI: 10.1287/orsc.2022.1611

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