親子で学ぶデザイン思考 2:親が好奇心を追求する
親が好奇心を持って楽しく生きているかどうかは、親子の関係を考える上で重要です。
ベルギーとポーランドの心理学者が2021年に発表した論文で、完璧な親であれという社会的圧力が年々増しており、親の精神的苦痛を高めていると指摘しています。
親の心理は子どもに影響を与えます。韓国では小学4年生とその親を対象にした調査で、親が幸せであるほど、子どもの幸福度も高くなると示唆されました。
では、どうすれば親の幸せが高まるのでしょうか。一つのヒントは好奇心の追求です。ここでいう好奇心とは、気持ちの赴くままに物事を探求する心のあり方です。これを追求している時、子どもが興味のままに全力で遊んでいるような状態になります。慶応大の研究者による調査でも、周囲を気にしないマイペースさと幸福度の高さは関係があると示されました。
好奇心は、いきいきとした生活の原動力ですが、大人になるにつれ、周囲の人や常識に合わせることが重視されます。素直な気持ちにふたをすることを意識しすぎると、楽しむことよりも我慢することが生活の中心になり、その様子は子どもにも伝わります。
そこで、大人になっても好奇心を保てるよう、簡単な演習を紹介します。やってみたいことや実現するとうれしいことを自由に書き出します。空想・妄想で構いません。実際にできるかどうかではなく、仮にできたらうれしいものを書きましょう。誰かに見せる必要もないので、「笑われる」「恥ずかしい」と気にする必要はありません。自由気ままに書いてみてください。自由な心持ちが好奇心を育んでくれます。
編集:共同通信社 文化部 高橋夕季
親子で学ぶデザイン思考 3:子どもの声に耳を傾ける