探索とは?
探索フェーズでは、調査を通じて明らかになったイノベーションの機会において、価値を生み出せる新しいコンセプト候補を出します。探索という名前が示すとおり、完璧な答えを一つ生み出すのではなく、新事業や新製品/ サービスの可能性を広げることが重要です。
このフェーズを実行することで、顧客や社会に対する革新的なソリューションを生み出すきっかけを得ることができます。
探索の重要性
顧客のニーズに対して、そのニーズを満たす方法が1 つだけということは滅多にありません。顧客が抱えている課題や問題を1 つに絞ったあとは、その課題や問題を解決するための様々な方法を可能な限り創造します。
特に、プロジェクトや事業開発のプロセスが初期段階にある場合、この探索フェーズで可能な限り選択肢を増やすことが重要になります。選択肢が増えることによって、プロジェクトの可能性が広がります。
このフェーズではあくまでアイデアを発散・拡散させることを重視し、実際にどのアイデアやコンセプトが顧客にとって価値があるのかは、2 ページ後で紹介する実験フェーズで確認します。繰り返しますが、ただ一つのベストな解決策を見つけようとするのではなく、ベストになるかもしれないアイデアやコンセプトを100,200 と考えるのが探索フェーズで重要な点です。
探索の方法論
探索フェーズでは、「すぐにアイデアの評価をしない」ことが重要です。具体的には、アイデアを発散させるタイミングと、出てきた多くのアイデアを収束させるタイミングを意識して分けます。
タイミングを分けることで、チーム全体で「アイデアの数を増やすこと」に集中する場面と「アイデアがもっている可能性を評価すること」に集中する場面を意識的に切り替えることができます。
1. アイデア創造:発散
ここでは、最も一般的なブレインストーミングについて紹介します。ブレインストーミングは、広告代理店の創業者であるアレックス・オズボーンによって1939 年に提唱されました。
この方法を使うと、他人のアイデアや発想を借りながら、連想ゲームのように次々に新しいアイデアを生み出すことができます。ブレイン・ストーミングにおける重要なポイントは2 つあります。
1) 質ではなく量に焦点を合わせる:多くのアイデアを出す中で、良いアイデアが生まれる。アイデアの評価をする行為は「質」に焦点があたっているため避ける。
2) アイデアを組み合わせる:自分と他人のアイデアを組み合わせたり、誰かの発言を発展させたアイデアを考える
2. アイデア選択:収束
アイデア創造の段階ではアイデアを評価することを避けていましたが、この段階ではアイデアを積極的に評価していきます。ここでの目的は、プロトタイプをつくって実験する価値がありそうな、可能性のあるアイデアを選ぶことです。
この段階でよくある間違いは、技術的な実現性や利益が出るかどうかという点のみで判断してしまうことです。
実現性や利益が出るかどうかも当然考えるべきですが、「新しい価値を顧客や社会に提供できるか」という視点も忘れてはいけません。
プロジェクトの初期段階では、発展可能性があるアイデアを選び、実現性や収益性については実験フェーズでプロトタイプをつくりながら確認・検証していきます。
今後もイノベーションを起こしたい組織・個人向けに役立つ情報をお届けしていきます。
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次回もどうぞお楽しみに。
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