発見とは?
イノベーションの第一歩は、今まで知らなかった社会の変化や顧客の行動など、何らかの新しい発見を得ることから始まります。特に有効なのは、現場に足を運んで顧客と関わりながら、普段どのような行動をしているのか、そこにはどんな理由があるのか、1 つ 1 つの個別のストーリーをもった人間として顧客を理解することです。
このフェーズでは、相手の年代や職業、年収や住所といった一般的な属性で顧客を分類する考えを一旦脇に置きます。相手を知る前にカテゴライズしたあとで顧客や顧客候補に関わるのではなく、ありのままの状態で相手はどのような人なのか、そこにはどんなストーリーがあるのかを、深い共感を通じて理解します。
共感を通じた人間中心の発想で顧客を理解することで、イノベーション実現のきっかけとなる新しい機会を把握できます。そこに含まれるのは、人々がどのように日常の生活や仕事を認識しているのか、何を有意義に感じ何を無駄と感じるのかといった、マクロデータを読み込んだり会議室で議論しているだけでは気づけない顧客に関する新しい側面です。
発見の重要性
価値を創造するには、顧客が何を重要と考え、何に価値を見出しているのか知る必要があります。このフェーズを丁寧に実行することで、イノベーションにつながる新しい発見を手にする可能性が高まります。
イノベーションを起こす上で、組織の技術や資金といったリソースも重要である一方、リソースを投下して実現する製品やサービスを顧客が支持するから、実現した製品・サービスが世に広がっていきます。顧客の支持を得るには、顧客のために新しい価値を創造しなければいけません。
発見の方法論
イノベーションにつながる新しい機会を見つけるには、イノベーションを起こそうとしている関 連領域に身を置き、多角的な視点でその環境や文脈を理解する必要があります。具体的には、体験・ 観察・対話の 3 つです。
- 体験
既に存在している製品やサービスを利用して、一人の顧客としての体験をします。例えば、新しい調理機器具としてミキサーを開発するのなら、既存のミキサーを使ってあなた自身が料理をします。材料をスーパーで買うところから始めることで、顧客の普段の生活をそのまま体験しながら、既存製品の良い点や改善点を、顧客視点で理解できるようになります。 - 観察
客観的な視点で顧客の行動を把握します。例えば、飲食店に関する新しいサービスをつくるのであれば、カフェやレストランに訪れる利用客の様子を確認しながら、彼らがどのようにサービスを利用しているか理解します。現場に足を運ぶことで、今まで知らなかった新しい顧客行動を見出すきっかけになります。 - 対話
顧客の行動にある背景や理由について顧客自身と対話をしながら、彼らのストーリーをより深く理解します。深い共感を通じて、相手の考え方や気持ちに歩み寄ることが重要です。仮説を検証するような答え合わせの質問は機能しません。それよりも、想定外の考えや意見を引き出すことで、新しい仮説を構築できるようなきっかけとなるように対話やインタビューを実施します。
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