親子で学ぶデザイン思考 6:1日の終わりに振り返る
子どもの成長において、2種類のスキルを育てることが重要と考えられています。一つが、従来重視されている読み書きや計算の技量、知識量といった認知的スキル。
もう一つが、社会性と感情に関する非認知的スキルです。周囲を巻き込んで物事に取り組む協調性や、目標を達成する忍耐力などを指し、2015年の経済協力開発機構(OECD)のリポートで広く知られました。
後者のスキルを伸ばす方法はいろいろと考えられますが、親子でぜひ取り組んでほしい方法があります。1日の終わり
に、その日を振り返って学ぶことです。振り返りによって自分の気持ちや行動を客観的に把握することができます。
2019年に愛知県の中学生184人を対象に行われた調査では、振り返りを行うことで、努力が必要な活動を、生徒が楽しみにする傾向が高まると示唆されました。
また、私が留学した米スタンフォード大でも、振り返りを重視する授業がありました。ここでは、数十年の職務経験があるような人でも、行動を振り返ることで新しい気づきを得て自己成長につなげています。
振り返り行う簡単な方法を紹介します。紙に大きく田の字を書くと、四つのスペースができます。
左上に良かった点、右上は改善点、左下に疑問点、右下へ新しいアイデアを書きます。
例えば、それぞれ「うまくいったことや、うれしかったこと」「今日一日をもう一度繰り返せるなら何を変えたいか」「気になったことやもっと探求したいこと」「振り返りを踏まえて明日から挑戦したいこと」と言い換えられます。
親子で振り返りながら、学ぶ力を一緒に育んでいきましょう。
編集:共同通信社 文化部 高橋夕季