2020/09/07

女性がいるチームの方がイノベーティブなアイデアが生まれやすい?

女性がいるチームの方がイノベーティブなアイデアが生まれやすい?

- イノベーション研究の最先端:世界のトップ・ジャーナル紹介シリーズ -

シリーズ概要

世の中には、最先端かつ高品質の研究結果が掲載される世界トップレベルの論文誌(トップ・ジャーナル)がいくつかあります。このシリーズでは、主に経営学のトップ・ジャーナルに焦点を当て、イノベーションに関わる最先端の研究を紹介します。

本日のトップ・ジャーナル

Entrepreneurship Theory and Practice:ETP

Dai, Ye, Gukdo Byun, and Fangsheng Ding. "The Direct and Indirect Impact of Gender Diversity in New Venture Teams on Innovation Performance." Entrepreneurship Theory and Practice 43, no. 3 (2018): 505-28.

 

企業において組織の多様性が重要だという議論がされる場合に、割とセットで検討・実施されることが性別の多様性を高めることです。具体的には、企業の役員やマネージャークラスに女性を増やそうとする取り組みですね。

 

ややもすると、とりあえず女性を入れておけば良いというケースもあるでしょうが、実際に女性が増えることでどんな変化があるのでしょうか?

 

今回紹介する研究は「女性が多いトップ・マネジメントチームの方が、イノベーションが増えるのかどうか」についてです。

 

結果として、トップ・マネジメントチームに株を5%以上保有している女性がいた場合、男性だけのチームと比較してイノベーティブな成果を出しやすいことがわかりました。

 

理由としては、新しい情報を受け入れる柔軟性の高さや、チームメンバーの中に共通性を見出そうとする傾向が女性の方が男性より一般的に強いため、チーム内での新しい取り組みや情報共有が男性だけのチームに比べて促進されやすく、結果的に良いアウトプットが出やすいという点にあります。

 

ここで注意したいのは、単に女性を入れればOKということではなく、女性が入ることによって今までチームの狭かった視野が広がるチャンスが生まれたり、チームメンバー同士の結束を高めるきっかけが生まれやすいということです。

 

研究の示唆から考えるなら、女性だけでも男性だけでもイノベーションは起こせるわけで、より重要なのは柔軟に新しい情報を受け入れながら、所属や立場に関係なく協力して活動できるチームなのかどうか、という点にあります。

 

逆に言えば、表面的な多様性の理解だけを土台に女性を増やしたとしても、そのチーム全体で積極的に視野を広げたり協力し合うコミュニケーションができなければ、よい効果は望めません。

 

多様性を高めることは重要ですが、高まった多様性を本当に尊重したり活かし合う環境があるのかどう、という点についても注意が必要ですね。

 

あなたのチームや組織ではいかがでしょうか?ぜひ考えてみてください。


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イノベーション 柏野尊徳

この記事の執筆者

Takanori Kashino

Takanori Kashino

一般社団法人Eirene University 創業者/代表理事。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了、専攻はイノベーション・マネジメント。スタンフォード大d.schoolでデザイン思考を学ぶ。同大学講師との共同トレーニングコース提供や、新事業開発のコンサルティング、関連研修を実施。クライアント先はKDDI、Adobe、日本テレビ放送網、京都大学など。

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